良いものなのに使いにくい?
収納グッズのミスマッチ
100円均一、インテリアショップ、通販サイト…。みなさんは収納グッズを購入するときにどこで探しますか?
私はさまざまなご家庭の整理収納サポートに携わっており、収納グッズの提案をすることも多いのですが、選ぶ際は「グッズ自体の機能が優秀かどうか」ではなく「収納の目的に合っているかどうか」を重視しています。収納グッズは値の張るものがいいもの、とは限りません。使う場所や用途に合っていれば、100均の商品でも充分活躍してくれます。
ただ、この「適切な収納グッズ選び」は多くの方にとって難しいもののようです。整理収納サポートの訪問先では、用途に合わない収納グッズのせいで、かえって片づけにくくなってしまっているお部屋や収納を拝見しては「なぜこれを買ってしまったのか…」と私自身が悔しくなることも度々ありました。
合わない収納グッズを選んでしまう人は、売り場やサイトを「良いもの探し」の感覚で覗いています。「良いもの」であっても「収納の目的に合うもの」とは限らないからこそ、ミスマッチが起こるのです。
そこで今回は、収納グッズを選ぶ場面で陥りがちな「失敗」を3つの傾向から分析。グッズに振り回されずに片づけを進めるためのコツを具体的に紹介していきます。
収納グッズ選び・失敗の原因(1)
「物がたくさんしまえそうな収納グッズを選ぶ」
“置き場所を手軽に増やす”タイプの収納グッズは、つい手を伸ばしたくなるものNo.1といってよいでしょう。片づけ問題を手っ取り早く解消できる良いイメージがある一方で、こんな落とし穴もあります。
●隙間を活かす収納グッズ
例えば食器棚。隙間を埋めるように「コの字ラック」や「吊り下げラック」を設置することで、棚の収納力は確かに上がります。ただし、隙間を埋め過ぎて棚がキチキチになってしまうと、出すのも戻すのも大変に。よく使う場所を便利にするつもりが、結果的に片づけにくくなってしまいます。
まずは、物を使用頻度でしっかり仕分けしましょう。使用頻度の高いものをさらに出し入れしやすくするために、こうした収納グッズを選ぶのが本来はベストです。コの字ラックや吊り下げラックを入れるなら、周辺には充分な余白を確保してください。食器を出し入れするストレスを抑えられれば、ぐっと使いやすくなりますよ。