あおり運転摘発は
前年比2000件増加!
被害者のドライブレコーダーには、白い高級外車が蛇行したり、割り込んだりする危険極まりない様子がはっきりと映っていた。
大阪市の会社役員、宮崎文夫容疑者は、数キロメートルにわたり急な車線変更や減速を繰り返して車を停止させ、被害者にこう叫んだ。「ぶっ殺してやる。今すぐ出てこい!」。
昨年8月、茨城県守谷市の常磐自動車道で起きたあおり運転殴打事件の一幕である。高級外車に同乗していた交際相手が、殴打を止めようとせず、携帯電話で撮影していた映像も、テレビで繰り返し流された。
あおり運転が社会問題となっている。警察庁が昨年10月に実施したアンケート調査によると、過去1年間にあおり運転被害を受けた経験があるドライバーは35%とかなり高い割合になった。
警察は重大事故につながる危険行為として取り締まりを強化している。全国の警察が2018年に道路交通法違反(車間距離不保持)で摘発した件数は、1万3025件。前年比1.8倍に増えた。19年はさらに増加し、1万5065件に上っている。
そこで今回は、19年の摘発件数を基に、あおり運転が多い都道府県ランキングを作成してみた。早速確認してみよう。
摘発件数2000件の兵庫!
静岡、愛知も1000件超
全国で最もあおり運転の摘発件数が多かったのは、兵庫県で2045件だった。このうち危険性がより高い、高速道路上での摘発は2038件となっている。
兵庫県は、高速道路と自動車専用道路の総距離が北海道に次いで、全国の都道府県で2番目に長い。兵庫県警による取り締まり強化と相まって、摘発件数が膨らんだものとみられる。