新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で、米国ではデジタル格差が広がりつつある。オンラインで顧客に対応するビジネスが躍進する一方、従来型モデルに頼るビジネスは生き残りをかけた戦いを強いられている。米経済の一角で既に進んでいたこうした潮流変化はコロナウイルスとの戦いによって加速し、危機が過ぎた後も長く続くと一部のアナリストは指摘している。求人情報ウェブサイト運営会社インディードのチーフエコノミスト、ジェッド・コルコ氏は「われわれが置かれているのは、より長期の緩やかなトレンドが、突如として激しい動きに変化した状況だ」と語る。実店舗を展開する小売店はここ何年も、ネット通販との競争にさらされて客足が落ちていた。今や店舗は閉鎖を命じられ、対照的にオンライン小売業者の売上高は急拡大している。オンライン事業への参入に長らく抵抗してきたセクターも、ここに来て足を踏み出している。クリニックから人影が消え、医師やセラピストはオンライン診療を、ヨガなどフィットネス関連ビジネスはリモートセッションを提供。教育機関はオンラインクラスに移行した。