「彼らは商人にも零細銀行にも『この人やあの人』にも、適切な担保があれば資金を貸し出さなければならない。恐慌の不安定な時期には、1つの破綻が多くの破綻を生む。派生的な破綻を防ぐ最善策は、その原因となる一次的破綻を阻止することだ」。英国人ジャーナリストのウォルター・バジョットは1873年に著書でこう述べた。この言葉は、中央銀行が金融恐慌の際にどう行動すべきかを物語っている。バジョットの代表作が刊行された当時は存在していなかった米連邦準備制度理事会(FRB)が1日夜、「この人やあの人」への貸し出しに向け一歩を踏み出した。FRBは新たなレポファシリティーを設け、外国の中銀が米国債を担保に短期的にドルを借り入れられるようにする。この仕組みは6日から半年間にわたり実施される予定。