とにかく、非常に厄介なウイルスである。

 コロナウイルス自体は、そもそも一般の風邪を起こすウイルスであり、当初はインフルエンザと比較されることもあったぐらいだ。

 しかしながら、このウイルスの怖さは、風邪やインフルエンザとは異なり、感染者の2割の人が重症化し、さらに5パーセントの人が、人工呼吸器を必要とする「生きるか死ぬか」というレベルまで、一気に重症化してしまうということである。

 ちなみに、ここでの「2割の重症」というのは、「病院に入院して、人工呼吸器などを用いた一定以上の高度な治療を受けたりしなければならない」という意味である。単に高熱を発するいわゆるインフルエンザのような症状の場合には、医療界では「重症」とは言わない。

このウイルスが大問題なのは
「無症状の人が多い」ということ

 もう一つ、このウイルスが大問題なのは「無症状の人が多い」ということである。

 先ほど「2割が重症化」と説明したが、別の見方をすれば、「8割の人が重症化しない」ということだ。この中には、まったく症状がないような人もいる。

 しかし、新型コロナウイルス感染者の2割ぐらいの人は、周りの人々に感染させる力を持っていると推測されているのである。

 要するに、「気が付かないうちに他人に感染させてしまう」ということである。これが何よりも「怖い」のだ。

 医療者の多くも最初誤解していたように、国の指導者たちも、なかなか新型コロナウイルスの「怖さ」を受け入れられなかった。

 米国のトランプ大統領が当初、新型コロナウイルスを甘く見ていたことは、しばしば指摘されている。最近では、ブラジルのボルソナロ大統領も、「コロナはちょっとした風邪だ」と言い切っている。

 くどいようだが、確かにコロナウイルスは風邪のウイルスだが、今回の新型コロナウイルスに関しては、非常に厄介で怖いウイルスなのである。

 企業の経営者やリーダーは、そのことをしっかりと心に刻んでおくべきだ。