とにかく、このウイルスは厄介です。「企業のコロナ対策」といえば、何かとリモートワークの話題が中心になりがちですが、今こそトップのリーダーシップが問われますとにかく、このウイルスは厄介です。「企業のコロナ対策」といえば、何かとリモートワークの話題が中心になりがちですが、今こそトップのリーダーシップが問われます(写真はイメージです) Photo:PIXTA

筆者は医師(日本内科学会総合内科専門医)であり、産業医としての業務を行っているが、同時に専任教員としてビジネススクールで医療経営を教えている。なので、経営学的視点を持つ産業医と思っている。そこで、今回、その視点で中小企業の経営者や職場のリーダーの皆さん向けに、「職場のコロナウイルス対策」について考えてみたい。(中央大学大学院戦略経営研究科教授、医師 真野俊樹)

非常に厄介な新型コロナウイルスの特性
一気に重症化するという怖さ

 新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっている。米国では「死者が24万人になるのではないか」という説まで飛び出した。

 実は、このウイルスの伝播には「第一波と第二波がある」といわれている。

 第一波は、主として中国の武漢からで、中国の春節のころ、すなわち「日本に1月末から2月の上旬に“輸入”された」とされるものである。この時点では、筆者を含め医師の多くはここまで大きな感染拡大になるとは思っていなかった。

 現在、起きているのは「第二波」といわれるが、日本で収まりつつあった第二波の後にも、新たに世界から“逆輸入”(海外渡航した日本人や在留外国人が感染して帰国したこと)された部分もあり、現時点では詳細は不明だが、「遺伝子配列が当初のウイルスとは違う」などという見方がされたりしている。