新型コロナウイルス感染拡大で必要不可欠な医療用品が不足している事態を受け、世界中の多国籍企業や新興企業は、自社の最先端3Dプリンターを医療品製造に切り替える動きを強めている。独シーメンスや米ゼネラル・エレクトリック(GE)のような産業製品の巨大メーカーや米HPをはじめとするハイテク企業、スペインのアエニウム・エンジニアリングのような3Dプリンター専門企業は、病院や医療従事者を支援するために自社の工学・製造能力を振り向けようとしている。3Dプリンターの先駆的企業、独EOSは3月31日、世界的な取り組みを紹介するウェブサイト「3DAtainstCorona(コロナに対抗する3D技術)」を開設した。航空宇宙部品を製造するアエニウムはここ2週間ほどの間に、医療用マスクに不可欠なフィルターの製造に軸足を移した。超軽量金属部品を製造するレーザー技術を生かし、医療グレードのポリマー製4層フィルターを開発。これをHPが現在開発中の3Dプリントしたマスクに差し込むことも、既存の人工呼吸器に使うことも可能だ。