(3)一般投資家
適正リスク資産額の確認と投資の継続を

 iDeCoやNISA、つみたてNISAの利用者を含めて、投資家一般に当てはまることだが、(1)自分の資産状況の把握と、(2)適正なリスク資産額の確認が大切だ。

 値下がりした投資資産の状況を「見たくない」という方がいるかもしれないが、運用資産の現状の把握は必要だ。淡々と点検してほしい。

 次に、最大想定損失額として自分が投資しているリスク資産で大損失が発生したと過程してみよう。インデックスファンド投資なら投資額の3分の1、数銘柄から十数銘柄くらいの個別株投資なら2分の1、1〜2銘柄の株式なら3分の2くらいの損失が発生し得ると考えて、その損失が許容可能であるかどうかを考えてみよう。なお、先進国通貨の外貨預金や外貨建ての生命保険(どちらも全くお勧めしないし、大半のケースで即刻解約する方がいいと思うが)の最大想定損失額は保有額の2割くらいで評価するといいだろう。

 ついでに申し上げておくと、不動産価格は株価に遅れて下落する傾向がある。「不動産を買ってしまいそうな人」には、「全力で逃げる!」ことをお勧めする。今後、ある程度の規模の不況は不可避であり、これまで有力な買い手だった外国人の不動産購入も減るはずだ。海外の不動産価格も下落する公算が大きいと思われる。

 また、諸々のことを考える際に、過去に幾らで投資したのかについては無視することが重要だ。あくまでも、現状だけを判断材料にして将来について考えるのだ。

 例えば、今後の損失許容額は500万円だと考える人の場合、インデックスファンドに投資するなら1500万円程度まで保有していていいということになる。許容できる損失額から、リスク資産に投資できる金額の上限を逆算して求める。

「許容できる損失額」と言われても考えることが難しいかもしれないが、例えば、老後を30年、つまり360カ月と考えると、「360万円」あれば毎月1万円取り崩して使うことができるということになる。なので、「360万円」を単位に考えると見当を付けられるだろう。

 3600万円持っている人は、年金などの収入に加えて老後に「毎月10万円」使うことができる計算だ。これが「毎月9万円」に減っても大丈夫だと思えるなら、360万円の損失が許容可能で、そこから逆算した場合の投資可能上限額は、インデックスファンドに投資する場合で1080万円と計算することができる。

 もちろん、許容可能な上限いっぱいまで投資することが「必要だ」というわけではない。投資の額は上限の範囲の中で、個々人が決めるといい。

 筆者個人の見解としては前記のように、感染症の将来の推移や金融システムへの負荷を通じた二次的な被害などの懸念はあるのだが、同時に好材料もあり、表現が難しいが、現状は、「投資の妙味のある状況」である可能性が大きくなっているのではないかと思っている。