子どもの質問には辛抱強く答えよう
こうした特徴に共通しているのが「探求心」だ。つまり「探求しようとする意欲」である。その最大の敵は、イノベータがよく遭遇する「探求をよしとしない体制」だ。この論文の共著者であるハル・グレガーセンは、ハーバード・ビジネス・レビュー誌でこう述べている。
「私たちが注目したすべてのスキルを一言でまとめると”好奇心”になる。私はこれまで20年間、世界の偉大なリーダーたちについて研究してきたが、彼らに共通して見られたのは知的好奇心だった」
さらに、彼は子どもについても言及している。
「4歳の子どもは絶え間なく質問をしている。ところが6歳半になる頃には、挑発するような質問をするよりは、正しく答えるほうが教師から評価されることに気づき、しつこく質問するのをやめてしまう。そして高校生になる頃には、好奇心を全開にしてあれこれ質問するような真似はしなくなる。そしておとなになって組織で働くようになる頃には、好奇心など自分のなかからすでに追放している。経営幹部の80%が、新たなアイディアの発見に20%未満の時間しか費やしていない」
なんと痛ましいことか。学校や職場をどうしてこのような場所にしてしまうのか、まったくもって解せない。でも、あなたは親として、わが子の探求心を伸ばしてやれる―まずは、しつこく質問してなんでも知りたがる探求心こそが、わが子の知能を開花させるのだと肝に銘じよう。
(本原稿は『100万人が信頼した脳科学者の絶対に賢い子になる子育てバイブル』ジョン・メディナ著、栗木さつき訳の抜粋です)