もっとも、いままでの人生で「本とは丁寧に読むものだ」という意識を持っていた人には、いきなり本を「見ろ」といわれてもそのやり方がよくわからないかもしれない。

 本を「見て」インプットするには、やはりそれなりのコツといったものがある。そのコツについてはこれから紹介していこうと思う。

「脳のRAS機能」を
活かした超効率的読書

 人によっては「見るだけで必要な情報がインプットできるのか? 読まないと大事な情報を取りこぼしてしまうのでは?」と疑問に感じるかもしれない。

 しかし、そのような心配は不要だ。

 なぜなら、

「脳のRAS機能を使えば、本を『見る』だけで必要な情報はインプットできる」

 からだ。

 RASとは、「Reticular Activating System」の略で、日本語では「網様体賦活系」という。脳の機能の一つで、「自分にとって必要な情報だけを脳にインプットするフィルター」のような役目をしている。

 脳はとても合理的につくられており、効率よく情報のインプットをするようにできている。

 そのため、視覚や聴覚といった感覚で認知した情報をすべて同じようにインプットするのではなく、自分にとって重要な情報だけを取り込むようにできている。その際に使われるのがRASだ。

 ここで問題だが、あなたがいつもしている腕時計を、実物を見ないで絵に描くことができるだろうか?

 実際にやってみるとわかると思うが、なかなか難しいと思う。一日に何度も見ているはずの腕時計なのに、その正確なビジュアルはインプットされていないのだ。

 これはRASの機能が働いているからにほかならない。時計を見る際に重要な情報は、いうまでもなく「時間」である。

 そのためRASが、時計のデザインなどといった時間以外の余計な情報をフィルタリングして遮断しているのだ。

 このRASという機能には、不要な情報を遮断するという働きのほかに、たくさんの情報の中から自分にとって重要な情報を探し出すという働きもある。