コロナ危機の影響で商業施設の新規開業が相次いで延期に追い込まれている。緊急事態の終息まで開業のめどが立たず、仮に開業しても当初の想定通りに集客できるのかどうかも不透明だ。出店を取りやめるテナントが出てくる恐れもある。特集『日本企業 緊急事態宣言』の#15では、不動産各社における商業施設の開業延期の実態をレポートする。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)
五輪特需を狙った施設を
コロナ危機が襲った
「今月予定していた施設の開業を延期します」
4月に入り、こんなニュースリリースが不動産各社から相次いで発表された。
新型コロナウイルス感染拡大の影響は、不動産業界に大打撃を与えている。東京オリンピック・パラリンピックの特需を見込んで2020年に開業を控えていた大量の商業施設を、コロナ危機が襲ったのである。
近年の大型再開発は、オフィス、ホテル、飲食店などが入る商業施設と複合で開発するのが主流だ。政府の緊急事態宣言を受け、人が密集する商業施設の開業が軒並み延期に追い込まれた。