新型コロナ対策としての人の行動制限は、どのような負の経済効果を生むのか(写真はイメージです)Photo:PIXTA

行動制限の負の経済効果
求められる定量的な議論

 新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、現在のところ、外出自粛要請やロックダウン(自宅待機令)を通じた行動制限が有力とされている。感染がもたらす健康被害の深刻さや、感染終息に至る道筋が不透明な現時点では、感染拡大の抑制(疫学的効果)を重視した行動制限はやむを得ない。

 経済的な観点からも、短期的な負の経済効果を受け入れることで感染拡大を早期に終息させることができれば、短期・長期の人的被害を効果的に抑制したうえで、長期的な経済活動の停滞も回避することができるため、足元の政策対応に対して大きな異論はないだろう。

 緊急避難的対応が現段階における最優先のタスクであることに疑いの余地はないが、行動制限に伴う負の経済効果を把握することも重要である。特に、感染拡大に対する政策運営が予想を超えて長期化した場合、疫学的効果のみに着目した緊急避難的な対応に加えて、経済効果の定量的な議論を継続的に行うことが必要となるだろう。

 そこで本稿では、こうした認識を踏まえ、現時点において得られるデータを用いて経済効果の一部を定量的に把握した筆者らの研究成果を紹介し、得られたエビデンスに基づいた政策提言を示す。