新型コロナウイルスの治療薬やワクチンの開発にメドがついた場合に備え、製薬各社は製造設備を切り替えたり、多くの従業員を新規採用したりして生産体制を整えている。米製薬・医療機器大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、ファイザーなどの企業は、臨床試験の裏付けが得られ次第、大量の錠剤や注射剤を迅速に生産できるように備えている。企業によっては、既存薬の生産を他工場に移管したり、サプライチェーン(供給網)を調整したりするほか、ライバル社と提携する例もある。製薬会社は通常、試験に十分な量の開発薬しか生産せず、これほど早期にフル生産の準備に入ることはない。こうした生産強化は、新型コロナの感染拡大に対処するための製薬業界による迅速な動きの一環だ。だが、ワクチン候補が試験で失敗に終われば、何千万ドルもの投資が無駄なる可能性もある。
コロナ治療薬、生産準備急ぐ製薬業界 臨床試験に先回り
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