オンラインなどを「使いこなす能力」
遠隔リテラシーを高める

 第二は「遠隔リテラシーを高める」。“リテラシー”とは、ここでは「使いこなす能力」とでも理解してくださればいい。ここでいう遠隔リテラシーとは、テレワーク、ウェビナー、オンライン会議、eラーニング、動画配信システムなどをビジネスで活用する力のことである。

 例えば、名古屋のある完全予約制の人気レストランでは、今、先々の予約すべてが白紙となっている。そんな中、この店では、家庭用の調理器具や家電を使った調理の動画配信を始め、まずは顧客とのつながりを保ち、さらにここにオンライン会議システムを通じ顧客と対話しながら共に調理を楽しむサービスへとつなごうとしている。あるいは、大阪のある本格派バーでは、すでに肴のテイクアウトやデリバリーを始め好評だが、期間限定酒販免許の活用や酒販店との協働で、ここに得意のお酒を加え、オンライン会議システムを通じて顧客と共に飲む、というサービスへと展開しようとしている。

 事業者のみならず、個々人にとってもこの機に遠隔リテラシ―を高めることは重要だ。

 当方も近年、eラーニングやYouTubeなどにおけるコンテンツ提供などさまざまに取り組んでいるが、提供する側も受け取る側も、こういうことが容易になった。どこにいても“つながる”ことができる時代だ。これを貪欲に活用すればするほど、知識や情報が増え、創造性が豊かになる。そういうリテラシーは、今後ますます重要性を増していくだろう。

安易に値引きなどをしてはいけない
生産性で乗り切り、次への布石を打つ

 第三には、「生産性で乗り切り、次への布石を打つ」。

 経済産業省のホームページにある「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」にも記されているが、生産性向上の公式は、分母が「効率の向上」、分子が「革新ビジネスの創出」と「付加価値の向上」だ。そして「付加価値の向上=提供するサービス価値の増大」とある。

 特に分子の「革新ビジネスの創出」だが、先の予約制レストランやバーの取り組み、今広がるオンライン開催などは、決して単なる急場しのぎでなく、新たなサービス創造につながる可能性がある。むしろ急場しのぎと両立させながら、そこを意識していくことが大切だ。

 そして「付加価値の向上」だ。ここで重要なことは、こういう情勢下であっても安易に値引きしてはいけないし、特にサービス業は常にサービス価値の増大を意識し、実行することだ。その一例を言えば、こんなときであっても、「お客さんを常に喜ばせてあげること」。