ひとまず「現状維持」だが
手探りが続くFRB

 4月29日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合では、金融政策を据え置くことが全会一致で決まった。

 州によっては経済活動再開の動きも一部、始まったが、とてもFRB(米連邦準備制度理事会)の対応が一段落という状況ではない。

 原油価格急落の追い打ちもあって、4-6月期の実質GDP成長率は大幅な落ち込みが予想され、市場の流動性維持や企業の資金繰り支援の対策の次には「難しい問題」を抱える。

社債購入に「やり過ぎ」の声も
市場の機能を損なうリスク

 振り返ると、パウエルFRB議長が近い将来の利下げの可能性を匂わせたのはほんの2カ月前のことだった。

 その後、二度の緊急利下げで政策金利は事実上のゼロ金利まで下げただけにとどまらず、短期市場への大量の資金供給、さらには、米国債やエージェンシー住宅債権担保証券(MBS)などの様々な金融資産を購入の対象に広げ、ついには、禁じ手と位置付けられてきた社債の購入にも手を付けた。