――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  グローバリゼーションは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行でボディーブローを食らい、ロープ際まで追い詰められた。貿易・移民の障壁が引き上げられていたところに渡航禁止、国境閉鎖、医療物資の輸出制限が加わり、貿易量は急減している。  しかし新型ウイルスは必ずしも世界を分裂させるものではない。世界秩序が崩壊するか、より有益でしなやかなものになるかは、各国のリーダーがどのような教訓を得るかにかかっている。  国境をまたいで発生した近年の2つの危機について考えてみよう。