新型コロナウイルス問題での緊急事態宣言が解除され学校活動が徐々に再開されたが、議論になっていた「9月入学」への移行も見送られた。
筆者はもともと休校の長期化による学業の遅れを取り戻す解決策として、9月入学は正しい処方箋とは考えていなかった。いまだ感染者が増えている現状での見送りは妥当な判断だ。
見送られた「9月入学」
党の提言受け首相が表明
新型コロナの感染の本格化が懸念された2月下旬に安倍首相が全国一斉休校を打ち出し、多くの地域では、その後の緊急事態宣言もあって学校教育が最近まで約3カ月間、中断した。
年度末、年度初めはさまざまな行事があるため、授業の実質的な遅れは1カ月弱ともいわれるが、遅れを取り戻す方策として、ウルトラCのごとく現れたのが、9月入学案だった。