100年に1度の激変!チョコレート市場
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人類がカカオの栽培を始めたのは約4000年前。一方、現在のような固形の甘いチョコレートがつくられてまだ170年しかたっていない。その間、どのような変遷があったのだろうか。特集『100年に1度の激変!チョコレート市場』(全9回)の#2では、チョコレートの歴史と、カカオをチョコレートに変えた3大イノベーションを解説する。(ダイヤモンド編集部編集委員 長谷川幸光)

「週刊ダイヤモンド」2020年6月13日号の第2特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

チョコレートは
スパイシーな飲み物だった

 人類がカカオの栽培を始めたのは約4000年前。一方、現在の固形の甘いチョコレートがつくられてまだ170年しかたっていません。その間、どのような変遷があったのでしょうか。

 人類が初めてカカオを栽培したと推定されるのは、紀元前2000年ごろの中米・古代メソアメリカ。この地で人類は初めてカカオの樹を栽培したと推定されています。カカオは希少で栄養価が高いことから神秘的な食べ物として重宝され、神へのささげ物や宗教儀式にも使われました。のちにスウェーデンの学者・リンネが、現地で「カカオ」と呼ばれる樹を見て「テオブロマ カカオ」という学名をつけましたが、ギリシャ語で「テオ」は「神」、「ブロマ」は「食べ物」を意味します。

 次第にカカオの栄養価に注目が集まり、マヤ・アステカ文明の王族や戦士の間で精力剤や媚薬として広まります。当時はまだ砂糖が世界に広まる前。すりつぶしたカカオ豆を水で溶いて、トウモロコシやトウガラシを入れて飲んでいました。この頃の「チョコレート」はスパイシーな飲み物だったのです。