100年に1度の激変!チョコレート市場Photo:CACAO HUNTERS JAPAN

こだわりのカカオ豆を追い求める「カカオハンター」、小方真弓氏。「情熱大陸」や「クレイジージャーニー」といったドキュメンタリー番組でその名を知った人も多いのではないだろうか。特集『100年に1度の激変!チョコレート市場』(全9回)の#3では、コロンビアを中心に「カカオハンター」として活動を始めた経緯とカカオ豆の個性を最大限に楽しむチョコの食べかたを聞いた。(ダイヤモンド編集部編集委員 長谷川幸光)

「週刊ダイヤモンド」2020年6月13日号の第2特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

――どのような経緯でカカオハンターとしての活動を開始したのでしょうか?

小方真弓(カカオハンター)カカオハンター・小方真弓 Photo:CACAO HUNTERS JAPAN

 日本には数多くのチョコレートのお菓子やデザートがありますが、その多くは原料メーカーから供給されたチョコレートを使っています。例えばチョコチップクッキーのチョコチップは、原料メーカーがつくっています。役割分担ですね。

 日本では不二製油さん、大東カカオさん、日新化工さんなど数社の原料メーカーがあります。私はもともとこうした原料メーカーでチョコレートの開発に携わっていましたが、川上であるカカオのことを知りたいという思いから一念発起して会社を退職し、単身でカカオ産地を巡り始めました。

 訪れたカカオ産地で、私がこれまで見てきたチョコレートの世界と明らかに違うことに驚きました。カカオとチョコレートはもちろん同じ流れの中にあります。でもわれわれはカカオのことを知りませんし、カカオ農家はチョコレートのことを知りません。こうしたチョコレートの始まりと終わりの「ひずみ」を、原料サイドから考えたいと思いました。