100年に1度の激変!チョコレート市場Photo:明治

「日本のチョコレート文化は欧米と比べるとまだまだ遅れています。チョコレートをもっと上のステージへ持っていきたい」――。明治の幹部はこう語る。 特集『100年に1度の激変!チョコレート市場』(全9回)の#3では、明治「ザ チョコレート」の開発秘話を紹介。そこからチョコレートの未来が垣間見えるはずだ。 (ダイヤモンド編集部編集委員 長谷川幸光)

「週刊ダイヤモンド」2020年6月13日号の第2特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

 幻のカカオといわれる「ホワイトカカオ」。カカオの原種に近いこの希少なカカオの保存活動など、明治がカカオ産地で取り組む活動「メイジ・カカオ・サポート」を評価する声を、本特集の取材で幾度か耳にした。そこで明治に具体的な活動内容を聞くと、明治がめざすチョコレートの姿が浮かび上がってきた。

金銭的な支援は
本質的な支援ではない

松岡伸次(明治ホールディングス執行役員)松岡伸次(明治ホールディングス執行役員)
Photo by HasegawaKoukou

――カカオ農家支援の対象国はどの国でしょうか?

 ガーナ、ベトナム、メキシコ、ドミニカ共和国、ベネズエラ、エクアドル、ペルー、ブラジルの8カ国に昨年、マダガスカルが加わり、現在は9カ国です。

――どのような支援を行っているのでしょうか?

 国や農園の状況によって異なりますが、主に苗木や肥料、農器具などの提供、カカオの育成や発酵法などの技術指導などです。われわれは「メイジ・カカオ・サポート」と呼んでいます。

 おいしいチョコレートをつくるにはおいしいカカオ豆が必要です。おいしいカカオ豆の生産には当然、農家の生活の安定が重要です。でもただお金を渡しても一時的な支援にしかなりません。