自国ファーストへ傾く世界に 「寛容な3つの帝国」の歴史が教えてくれること
歴史に名を遺した3つの帝国から学べることとは? Photo: Julian Finney /Getty Images

コロナ禍で世界は「反グローバル」「排外主義」に動いていくという見方も強い。ポストコロナの世界はどう変わっていくのか。ビジネスエリートが激動の時代を生き抜くヒントを世界情勢、宗教、哲学などに学ぶ月一回の特別講義シリーズをお届けする。第1回は、「世界史に名を残した3つの帝国の繁栄」からヒントを探る。(神戸情報大学院大学教授/国際教養作家・ファシリテーター 山中俊之)

3つの帝国の「寛容性」に学ぶ
ポストコロナを生き抜くヒント

 新型コロナウイルスの世界的感染拡大に伴い、各国で排外主義の動きがある。また、有識者の中にも、コロナ禍で世界は「動乱の時代」「反グローバル主義の時代」に突入するという見方もあるようだ。

 確かに短期的には、感染拡大の要因になった中国に対する封じ込めともいえる動きが欧米諸国で広がる恐れがある。また、海外への渡航の本格的な再開には時間がかかるだろう。昨年までの「グローバル化が当然」「インバウンドで地域振興を図る」といった機運が遠い昔のことのように感じられる。

 しかし、歴史を見れば、長きにわたって繁栄したローマ帝国やオスマン帝国、さらにインドのムガル帝国は、外国との交流に積極的であり、また領内の他民族に対して寛容な国であった。コロナ禍の中、今改めて寛容性をもって外国との交流を重視することで長期にわたり発展をつづけた国々に学ぶべきではないか。

 そこで今回から月に一度、世界情勢や歴史、芸術文化、宗教、哲学など国際教養のいわば叡智から現在の我々が直面する課題への対応のヒントを、さまざまな観点から解説していきたいと思う。第1回の今回は、3つの帝国の歴史からポストコロナへのヒントを探る。