効果的なフィードバックを行う人は、だいたい、次のような「4つのステップ」を踏んでいるように私は思います。

 ◎ステップ1:観察する
 ◎ステップ2:相手の話を聴く
 ◎ステップ3:自分の感情を伝える
 ◎ステップ4:行動を促す

 とはいえ、まず相手を「観察する」ことが、大切な登竜門には変わらず、この気づきの多さによって部下の成長が加速する、と言っても過言ではありません。ここではこの「観察する」について具体的に確認していきましょう。

いかにして
「事実だけ」に着目するか

「あなたはいつも遅刻する」

 こんな注意やフィードバックをした経験がある人がほとんどでしょう。しかし、この簡単簡潔な文には3つほどの暗黙の前提(仮定)が含まれています。あなたはわかりますか?

 2つはおわかりですよね。「いつも」と「遅刻」です。実際、この手のフィードバックをしても、相手から「証明しろ」なんて状況に追い込まれることは皆無だと思います。しかし、厳密に言い直すなら、

「あなたは週4回、8時30分のミーティングに10分ほど遅れて参加しています」

 のほうが正しいのです。

 3つ目はわかりましたか?そう、隠された言葉「ミーティング」です。この簡単な文を読まれた読者の方々でも、「遅刻」というのを「出社」というふうに置き換えた人も少なくないでしょう。

 われわれの脳というのは常に慣れ親しんだ経験や過去の状況に当てはめて、物事を整理する傾向があります。それは常にサバイバルモードに置かれている脳の生存手段と言ってもいいでしょう。まず、推測をして後で間違いを正す。ただ、フィードバックを与える上でこの推測や憶測というのは厄介です。

 フィードバックをする際、大抵は感情が多く絡みプレッシャーやストレスが溜まるので、なるべく意訳を回避し、同じ土俵で話すのが大切なのだと思います。