米国企業の株価はほぼ20年ぶりの割高水準にある。米企業の社債は今年2月時点と比べても割高ではない。社債は株と違ってお買い得なのだろうか。たぶんそうだろうが、それは見た目ほど明確ではない。問題は、株と債券のバリュエーションの比較は、リンゴとオランウータンの比較のようなものだということだ。両者の共通点は極めて少ない。米国の株価指数構成銘柄にはマイクロソフト、アップル、アマゾンなどの巨大企業をはじめとした、投資家が今欲しいと思っている企業の名がたくさん並んでいる。これに対し、債券指数の構成銘柄には、特に重工業分野や石油・ガス分野の、誰も欲しがっていない企業の名があふれている。ベンチマーク間のバリュエーションの差は大きい。S&P500種株価指数の場合、今後12カ月の予想利益を元にした株価収益率(PER)が22倍になっている。これは2001年以来の高水準だ。金融情報会社リフィニティブのデータによると、1985年にデータを取り始めてからこの水準を上回った時期は、全体の6%しかない。
米株は割高? 社債はお買い得なのか
投資家がレバレッジを気にかけているという状況で、債務が多い企業が不人気なことは驚くべきことではない
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