中国共産党は、習近平国家主席を公然と批判してきたことで知られる不動産業界の大物、任志強氏(69)を除名した。検察当局は任氏を汚職などの容疑で起訴する準備を進めている。除名は23日に発表された。任氏に対しては党・政府が調査を行っていた。任氏の友人らによると、同氏は新型コロナウイルス流行に対する習氏の対応を批判する文章を執筆後、3月に消息不明となった。除名の発表文で党・政府の調査関係者は、任氏には党への背信行為や収賄、横領など多岐にわたる容疑があることを挙げた。検察による起訴の可能性も示したが、時期などは明らかにしなかった。任氏からのコメントは得られていない。中国の政治に詳しい専門家によると、任氏は共産党メンバーとのつながりが深く、一般市民からは歯に衣(きぬ)着せぬ発言で人気を集めており、習氏の強権に対する反対の象徴ともみなされてきた。容疑の重大さからすると、任氏には厳しい処罰が下される可能性がある。