――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJのチーフコメンテーター ***  人種平等を巡る今夏の激しい議論は実のところ、ジョージ・フロイド氏に関するものでも、ミネアポリス警察の手で同氏が殺害された問題に関するものでもない。米国の政界において、フロイド氏に何が起こったのかだけを問うている向きはほぼ皆無だ。  これはある程度、警察の行動に関する議論とも言える。だが、議論の核心は「構造的な人種差別」であり、広範なテーマを巡って黒人と白人の間に存在する深い隔たりだ。