コロナショックで壊滅状態の外食業界。196店を運営するエー・ピーカンパニーも大打撃を受けており、主力業態で約100店を占める「塚田農場」の業態転換に着手した。直近では7店舗を業態転換し、10年後には塚田農場というブランドは“消滅”すると話す米山久社長に、真意を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本興陽)
1年半~2年後はコロナ前に戻る
専門色を高めることで生き残れる
――新型コロナウイルスの感染拡大は人々の消費行動を大きく変化させました。今後はどうなると捉えていますか。
1年半~2年後は、コロナ前と変わらない状態に戻ると私は思っていますよ。
そもそもコロナがあろうがなかろうが、大人数の宴会は減っていました。当然、この1年半~2年の過ごし方は考えないといけませんが、時間をかければ戻ると思います。
テイクアウトやデリバリーのマーケットは伸びていくでしょう。ですが、大量に消費行動が流れるかというと、そうはならないだろうとみています。
――それでもコロナ前とコロナ後で、戦い方は変わってくるのではないでしょうか。勝ち残る上で何が必要だと考えていますか。
専門色を高めることでしょう。これまでの居酒屋業界の流れとして、「安くて酔える」ことが求められて、価格競争を続けてきました。
ただ、われわれはその争いに巻き込まれたくなかったので、あえて(客単価が)500~1000円程度高い値段設定にしていました。
加えて中間流通を省くことで、高品質・中価格の実現に力を入れてきた。今後も、これを強化していくことで、飲食業の中で生き残ることができると考えています。