「投資嫌い」の日本人は、労働者の殻に一生閉じこもり続けることになるPhoto:SERGII IAREMENKO/SCIENCE PHOTO LIBRARY/gettyimages

日本で数少ない「長期厳選投資」を実践しているファンドマネジャーの一人、奥野一成氏。彼が行う投資は、「50万円を5億円にするFX」とか「おすすめの銘柄100選」のような目先の話ではない。特集『夏だ!スキルだ!3日で絶対!習得シリーズ 2020』(全30回)の「投資思考法」(全3回)1日目は、“投資家思想”を持つとはどういうことを意味するのか、ビジネスにおいて投資が教養としてどれだけ重要かを解説していく。(農林中金バリューインベストメンツ常務取締役兼最高投資責任者 奥野一成、構成/ダイヤモンド編集部 塙 花梨)

8月22日(土)20時~、本記事の著者・奥野氏による「長期投資オンラインセミナー」を開催予定!ダイヤモンド・オンラインの無料会員にご登録いただいた方であれば、どなたでもご参加いただけます。
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『教養としての投資』(奥野一成著、ダイヤモンド社、2020年)より抜粋および編集して掲載

投資はビジネスの教科書である

 私がこれから紹介するのは、株式投資のノウハウではありません。投資をすること、投資家思想を持つことがビジネスパーソンにとっていかに大事かをテーマとします。さらに、ここで言う投資とは、チャートとにらめっこして売り買いを繰り返すことではありません。もっと大局的でビジネスの本質に関わるものです。

 投資で成功するために重要なのは「総合力」。総合力とは、バラバラになっているものを一つにまとめ上げる力のことです。さまざまな知識を総動員して結果に結び付けていく作業プロセスは、投資もビジネスも同じです。

 また、幅広い知識を身に付けるのと同時に、それを上手に組み合わせて自分なりの仮説を導くことができれば、投資でもビジネスでも成功する可能性がグンと高まります。投資家の思想を持つことができれば、世の中の見方が変わってくるでしょう。