上場企業全体を対象とした倒産危険度ランキングに加えて、新型コロナウイルスの感染拡大で、甚大な被害が避けられない13業種について、それぞれ業種別のランキングを作成した。『大失業時代の倒産危険度ランキング』の#3ではアパレル・百貨店を取り上げる。14社が危険水域に入った。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
子会社のリース債務計上で
危険度が上昇した百貨店とは?
新型コロナウイルスが猛威を振るった1月以降のインバウンド消費の蒸発、そして4月の全面休業で売り上げそのものがほぼ消失した百貨店業界。日銭商売であり、しかも損益分岐点が高いため、売り上げがなくなれば即座に資金繰りリスクに見舞われる。大手各社は慌てて銀行にコミットメントライン(融資枠)の設定を要請。だが6月29日に2021年2月期第1四半期決算を公表したJ.フロント リテイリングは3~5月のわずか3カ月で284億円の最終赤字を計上。他社も同様に赤字に陥るとみられ、コロナ経済危機が直撃した格好だ。
都市部の主要店舗は5月下旬以降に本格的に営業を再開し、6月には前年比で7~8割程度に売り上げを回復したが、7月2日には東京都内の新規感染者が100人を上回った。「すぐに休業とはならなくても、消費者マインドへの打撃が大きい」(百貨店大手幹部)状況が続く。多岐にわたる取引先や問屋を含め、業界はまさに危急存亡のときにある。
同業界で倒産危険度の危険水域に入った会社のトップは会員制の衣料問屋大手のプロルート丸光。小売店舗の休業などによる需要減で同社の20年3月期の売上高は、前期比37.4%減の57億7000万円と激減した。東京店の閉鎖による損失に加え、業績悪化による固定資産の減損も加わり、純損失は前期の2倍弱の11億9100万円となった。
ここからは、百貨店大手や紳士服最大手、老舗アパレルの名前も挙がったランキングの詳細を見ていこう。