列島明暗番外編#20
Photo by Koyo Yamamoto、Peera Sathawirawong/gettyimages

コロナ禍で年間350万人ものインバウンドが“蒸発”し、観光業が大打撃を受けている北海道。北海道銀行の堰八義博会長は、「3年間はインバウンドが戻らない」とみる。特集『列島明暗 都市・地方財界・名門企業』(全15回)の番外編では、札幌財界の重鎮である堰八会長に、ポストコロナ時代の北海道経済の生き残り策を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本興陽)

コロナ禍前までは好調だった北海道経済
成長率の悪化はリーマンショック時の「2倍」

――新型コロナウイルスの感染拡大が北海道経済に与えた影響は。

 北海道経済は2019年まで緩やかな右肩上がりで成長トレンドでした。実質道内総生産は17年度が1.3%増で18年度は0.1%増の見込み。19年度は0.2%増程度と対前年比でプラス成長を続けており、非常に良い状況でした。

 プラス要因は観光関連。これが好調で、北海道経済のリード役を担っていたのです。インバウンド客の伸長もそうですが、国内客も好調でした。

 ですが、年明けからの新型コロナウイルスの感染拡大で状況が一変しました。個人消費や設備投資だけでなく、インバウンドの減少で外貨獲得も急激に落ち込んでいます。今年度の北海道経済は大幅に悪化するでしょう。

――どの程度の落ち込みを見込んでいますか。

 北海道銀行の予想では、20年度の実質道内経済成長率は、対前年度比で6.4%減、名目では6.2%減としています。リーマンショックの08年度は実質で3.5%減でした。ざっくり言うとリーマンショック時の2倍近くも悪化するのです。

 北海道の産業構造の特徴は2次産業、つまり製造業のウエートが全国と比較して低いこと。相対的に1次産業と3次産業のウエートが高いのです。

 そして外需は何といっても観光です。海外から旅行客が訪れ、北海道でお金をどんどん使ってもらうことが外需を支えていました。

 北海道の18年度の外国人観光客は312万人。20年度はこれを500万人まで伸ばす計画でした。ところがこの目標は、残念ながら達成とは程遠い存在になってしまった。20年度は東日本大震災の際の数字をさらに下回る可能性があります。