Photo:YOSHIKAZU TSUNO/gettyimages

長期政権がついに終わる。安倍政権が「女性活躍」を打ち出す一方で、ジェンダーギャップ指数は下がり続け、昨年は121位。当然ながら、G7の最下位で、世界との差を見せつけられた。安倍政権がうたった「女性活躍」について、女性記者たちはどう思っているのかアンケートをした。すると、ここ数年で「世論のボトムアップ」により報道が変化してきていることが見えてきた。(取材・文/フリーライター 小川たまか)

安倍政権の『女性活躍』
限定的な意味では評価できるかと思ったが…

 7年8カ月続いた第2次安倍政権が、ついに終わる。さまざまな声が聞こえてくるが、本稿では安倍首相が号令をかけた「女性活躍」について、女性記者たちがどう評価しているのかを伝えたい。

 個人的な話だが、女性差別やジェンダーについて取材をすることが多かった私は、いわゆる「女性問題」についての報道とその受け止められ方が、安倍政権時代を通じて、ここ数年で変わりつつあると感じている。

 たとえば2014年頃、私は共働き夫婦の子育てについての記事を書いたことがある。小さな子どもを持つ母親が働くことについて、いまだに母親に罪悪感を与える空気があることについての問題提起だった。この記事を書いたとき、中年男性からの反発がすさまじかった。「共働き夫婦の子どもはかわいそうだ」「子どもが幼いときは母親が育てるべきだ」、あるいは「女性差別など現代にはない」といった“熱い”メッセージの数々を受け取った。

 また、同時期に、取材中に経営者の男性から「今の若い女性はずっとチヤホヤされたいから働き続けたいなんて言うんだ」と言われ、開いた口がふさがらなかったこともある。待機児童に関する記事の受け止められ方もどこか冷ややかで、「一部のワガママな母親の問題」であるかのようだった。

 女性活躍推進法が施行されたのは2015年9月。当時から批判は多く、労働力不足の解消、経済復興のために女性を体よく使うための方針である感は否めなかった。何よりそれを聞かされた女性たちがしらけていた。

 ただ、安倍首相が「女性活躍」と口にすることで、これまで「女性が働きたいなんてワガママ」「子どものためにも女性は家へ」と言ってはばからなかった保守層の男女が渋々口を閉じる程度の効果はあったのかもしれない。嫌みを言う人が黙っていてくれると、それだけ意見を言いやすくはなる。

「女性が働き続けたいのはチヤホヤされたいから」などと女性に向かって言う人が、女性の話を聞いて意見を変えるとは思えない。偉い立場にいるおじさんが「女性活躍」と言って初めて「チッ、しょうがねえか」と時代を悟った…のではないか。

 そのような意味に限って、極めて限定的ではあるが「評価」できるのではないかと考え、女性記者たちにアンケートをしてみた。