今までは、必要以上に「死」を遠ざける傾向があったでしょう。特に子どもたちから、亡くなった人を遠ざける文化がありました。人間の死亡率はずっと100%なわけで、死は自然な行為のはずなのに、なぜかそれをひた隠しにしてきたんですね。

まつやま・だいこう
まつやま・だいこう/1978年京都市生まれ。 2003年東京大学大学院農学生命科学研究科修了。 埼玉県新座市の平林寺にて3年半の修行生活を送った後、06年より現職。 09年5月、政府観光庁Visit Japan 大使に任命される。11年に、日本の禅宗を代表しバチカンにて前ローマ教皇に謁見。14年には世界経済フォーラム(ダボス会議)に出席するなど、宗教の垣根を越えて活動中。

 でも、死と生は表裏一体。死について真剣に考えることは、「生きること」を真剣に考えることでもある。だから、コロナで死をリアルに感じることが、よく生きるための重要なステップにつながっていきます。

――家で一人きりで過ごす時間が増えたせいか、コロナうつになる人も増えています。ストレスをためない方法はありますか。

 家族や身近な人との関係性を大切にすることです。人はそもそも一人では生きられない生き物なので、誰かと一緒にいて、誰かのためになることが重要です。

 人間の最大の強みは、協力できることなんですよ。逆に言えば、それが最大の弱みでもあるから、ウイルスにやられたわけですが。

苦しいときこそ、宗教が「心を集める」
先人たちも感じてきた「生」の再認識とは

――災害が多い時代における、宗教の役割は何ですか?

 人々の「心を集める」ことです。