新型コロナウイルスの感染拡大によって大学を取り巻く環境は激変した。 本特集『コロナで激変!大学 序列・入試』(全14回)の#3では、様変わりした授業形態、それに伴い発生した学費や施設費の減額・返還問題について大学側、学生側の双方を取材、今、問われている「大学の在り方」を考える。(ダイヤモンド編集部 藤田章夫)
新型コロナウイルスが引き起こした
大学を襲う「7大クライシス」
緊急事態宣言が解除された今もなお、多くの大学の門は閉じられたままだ。新型コロナウイルスのまん延によって大学の構内に立ち入れなくなって久しい。今年大学に合格した新入生に至っては、入学試験のとき以来、一度も大学に足を踏み入れていない学生も多い。
6月にコロナの感染拡大に歯止めがかかったことで、一時はようやく大学の門が開きつつあった。だがその後、全国的にコロナ感染者が再び増加し始めたのに加え、7月下旬に横浜国立大学や京都大学で相次いでクラスター(感染者集団)が発生したのに伴い、再び大学は門を閉ざした。
片や、小学校や中学校、高等学校は緊急事態宣言が解除された6月以降、感染対策に留意しつつ平常通りの学校活動を再開し、授業の遅れを取り戻している。
にもかかわらず、なぜ大学だけがこんなにも慎重なのか。その理由は大きく三つある。