米中対立の中にあっても強い業種はどれなのか。その影響をもろに受ける業種はどれなのか。特集『企業直撃 新・地政学リスク』(全14回)の最終回では、賢者が読み解いた新・地政学リスクに打ち勝つ門外不出の投資術を伝授する。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
【榮聡・SBI証券シニア・マーケットアナリスト】
米中対立が激化しても
買われ続けるセクターがある
米国の大統領選挙後の影響を分析したところ、トランプ大統領が再選を果たしても、バイデン氏が当選しても、米中対立はしばらく続くとみている。共和党も民主党も、中国を台頭させてはいけないと厳しい姿勢で臨むからだ。
米中対立が始まってから、米国企業の中国における影響をフォローしているが、半導体、資本財といった業種が影響を受けているようだ。やはり目立つのは、中国ファーウェイ(華為技術)関連。中国の消費者が自発的に「自国のスマートフォンメーカーを応援しよう」と米国メーカーの製品の購入を控える動きがあったとみられる。
ところが、である。意外なことに、これまでの米中対立でも、中国でボイコットの気配が全く見られない業種があるのだ。