中国経済は2020年4~6月期もプラス成長で、GDP(国内総生産)はすでにコロナ禍前の水準を超えた。とはいえ、20年は2%前後の低成長にとどまりそうだ。その反動もあり21年は、直近の成長率のめどだった6%を超える可能性もある。特集『賢人100人に聞く!日本の未来』(全55回)の#11では、3人の中国経済のエキスパートに今後を見通してもらった。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
齋藤尚登
大和総研主席研究員
【実質経済成長率予測値】
2020年 2.1%
21年 7.1%
22年 6.0%
投資主導で急回復を遂げ、2020年4~6月期の実質GDP成長率は3.2%と、すでに新型コロナウイルスの感染拡大前の水準を回復。回復の過程で投資依存度が高まるのは仕方がないが、長期化する懸念がある。22年秋の中国共産党大会で習近平総書記の3選の可否が決する。政治的思惑で投資が刺激され、成長率が押し上げられる可能性がある。ただし、収益性の低い過剰投資は金融リスクの増大につながりかねない。