本書の要点

(1)あらゆることが考え尽くされた状況の中で、新しいアイデアを生み出すには「大局観」が不可欠だ。大量の情報を考え直し、視座を変えることで、誰もたどり着いていない「空白」を見つけることができる。
(2)既存市場の中でどれだけ質を高めても、「新しく質の低いもの」には勝てない。まずは新しくして、それから質を高めるべきである。
(3)人は誰しもバイアス(思い込み)を持っている。これを見つけて破壊することで、イノベーションが生まれる。

要約本文

◆Think Different
◇創造的に考えるとは何か?

 本書のテーマは「創造的に考える、すなわち、Think Differentとは何か?」である。何かを「考える」時にはまず、「どこから考え始めるか?」から考えなければならない。

 Think Differentの「Different」の語源をたどると、「離れたところに置く」とある。つまり、みんなが固まっているところから距離を置くという意味である。日本では、多くの人が同じようなことを考えているため、それと違うことを考えるのは簡単だ。しかし海外では、基本的にみんな考えていることがバラバラである。では、「みんな違う」という前提のもとで、さらに違うということは、どういうことなのか。

 ビールを例にとろう。昔は数えるほどの商品しかなかったのに、今は相当な種類の商品がある。さらには、発泡酒や第三のビールまで販売されている。このような状況の中でイノベーションを起こすためには、さらに違うことを考えなければならない。今はビジネスでも研究でも、あらゆる分野でThink Differentが求められている。