日本だけでなく
世界中で1200人の心を打った
「利他的マインド」

2020年9月、東京、大阪、屋久島、ボルティモア……
世界中で1200人以上が参加した本書出版記念講演会は、
おかげさまで大変ご大好評をいただきました。

参加してくださった方々に感謝の意を表するとともに、
今回は講演会で話した内容に加え、
今すぐ活かせる「感謝で科学的に成功する方法」をお伝えします。

グーグル、フェイスブック、アップルなどの超巨大IT企業がひしめく、
イノベーション、スタートアップの聖地、シリコンバレー。

私がアメリカにきて20年以上が経ちますが、
そこで働く世界のビジネスリーダー、
学術界の巨匠たちとの関わりからわかったのは、
彼らは相手を本気で思いやる
「利他的マインド」を自然に持っているということでした。

アメリカのエリート階級に対し、
利己的、個人主義というイメージをあなたは持っていませんか?

かく言う私も、表面的に「いい人」な彼らを見て最初は、
「いつ出し抜くつもりなんだ?」と警戒し、いぶかしく思っていました。

しかしその後、「利他的」であることこそが、
成功の秘訣であり、
「生き抜く力」の源泉と知るのです。

ニューヨーク州立大学のステファニー・ブラウン准教授は、
利他的な行動と長寿には相関があるとします。

自己の名声など自己中心的な目的での人助けでは、
長寿の可能性は上がらない一方、
見返りを期待せず人助けをすることで長寿の可能性は上がるというのです。
これは、細胞年齢に関わる「テロメア」の長さの変化で起こります。

また、人間関係のトラブルは大きなストレスです。
つまり、他人と良好な関係を築くことでストレスを感じにくくなり、
健康リスクが減って、長寿の可能性が50%増大するというデータもあります。

『種の起源』を書いたダーウィンが、
「共感する力は自然淘汰で増していく」、
リチャード・ドーキンスが『利己的な遺伝子』で、
「利己的な遺伝子は、通常は、利己的な行動につながる。
~中略~特別な場合に、遺伝子が利己的な行動を達成する最善策として、
動物の個体レベルで限定的ではあるものの利他的な行動を促すことがある」
と示唆し、世界のトップクラスの人々が実践するように、
利他的であることは生物学的に優れ、健康にも得というのは実証されているのです。