外国からの中国資産への貪欲な投資意欲は抑圧されている――。こうした考えは長年、自明のこととされていた。そのため、中国市場をさらに開放すれば、飢えた投資家が殺到すると当然のように思われていた。しかし、そうした「上客」候補が、中央政府が発行した最も安全な中国資産を除き、本当に投資に飢えているのかどうか一段と分からなくなりつつある。中国国家外為管理局は5月、認可を受けた外国の投資家が中国本土の株を売買できる適格外国機関投資家(QFII)制度について、長年慎重に管理してきた投資限度枠を正式に撤廃。以降、QFIIを通じた毎月の投資額データの発表をやめた。これにより、気まずい事実が隠されている可能性がある。5月の投資額は1162億6000万ドル(約12兆3000億円)と、それまで設定されていた投資枠の3000億ドルを大幅に下回っていた。