景気が底入れから回復に向かう局面では、投資家の株価の先行き見通しも揺らぐ。まだ景気回復の足取りが定まらないため、発表される景気指標もよいものと悪いものが混在しがちとなる。
人びとはそれまでの景気悪化の印象が根強いために、発表指標に一喜一憂しがちだ。これが一本調子の株高とならない大きな要因である。
底打ち以降の局面で投資家は、業績の変化率が大きく、遠い将来の景気回復場面で活躍しそうなテーマの株を探したくもなるだろう。
しかし筆者は、企業の成長に関する指標にはある程度注目するものの、どちらかといえば足元で業績がシッカリしていてバリュエーションがよい銘柄への投資が効果的と考える。景気の転換タイミングの将来予想はしにくいうえ、将来の環境が大きく変わりうる。