次のプロジェクトは全く別の産業や顧客であることもあれば、大手企業が顧客であれば同じ顧客の中で事業部や国境を越えて別の大規模プロジェクトに異動することもある。つまり短い期間でも修羅場の経験値が豊富になるのだ。

 しかし、実は急速な成長には、もう一つもっと大きな理由があった。

ハードワークで得られていた
「泥くさいプロ意識」をどう醸成するか

 こちらも理由は単純で、ものすごくハードに働いたのである。分かりやすく言えば長時間労働していたのだ。

 例えば、夜クライアントとの会食の最中にプロジェクトに関する話が盛り上がり、面白そうな新しい企画が発生したとする。23時に解散した後、その企画に対する企画書を作成し、翌朝には昨夜話が盛り上がったクライアントに提示するというのは、ごくごく当たり前のことだった。

 月曜日が締め切りの提案書を前の週の金曜日の午後に上司に評価してもらったところ、全面的にダメ出しされ、上司ともども金・土・日と3日間、徹夜をして月曜日の締め切りに間に合わせるというのも日常的であった。

 海外出張の際は、飛行時間が全て作業時間に充てられると見込んだ作業計画を立てて、ぎりぎりまで練り込んだ作業をする。

 もちろん、こうしたハードワークは古の話で、こんな働き方をしているコンサルティング会社は皆無だ。現在ではそもそも労基法違反である。

 しかし、こうした働き方がかつてのコンサルティング会社で個人の急速な成長の一助になっていたのは紛れもない事実である。

 なぜならば、こうした一連のハードワークはクライアントや上司からの依頼や指示によるものではなく、納期を死守したり、極限まで品質を高めることにこだわったりというそれぞれの自発的なプロ意識に支えられたものだったからである。

 振る舞いとしてハードワークが制限されている現在、原則として定時内でスマートに働くことを通じて、かつてのハードワークで得られていた「泥くさいプロ意識」と同等のものをどうやって社員の間に醸成していくかが、各コンサル会社の「悩みの種」になっている。

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