11月9日から始まる全国糖尿病週間。国際医療福祉大学三田病院糖尿病・代謝・内分泌内科学の坂本昌也教授は、「特に今年はコロナ太りで血糖、血圧、脂質、体重のどれもが悪化している人がいる。この冬には心筋梗塞・脳梗塞の発症に、例年以上の注意が必要」と警鐘を鳴らす。この冬、血糖値などのさらなる悪化を食い止める健康管理を、坂本医師に聞いた。(医療・健康コミュニケーター 高橋 誠)
糖尿病は
60代の3人に1人の時代に
実は日本人のカロリーと糖質の摂取量は減っている。にもかかわらず、糖尿病患者数は増えている。これはエネルギー摂取量に占める脂肪の割合が増えたことと関連が深い。面白いことに糖尿病患者数の上昇カーブは、米国ファーストフードチェーン店舗数や自家用車保有率の上昇カーブと相関する。繊維質摂取の減少を含めた食生活の欧米化、運動量の減少が影響していることを示唆している。
このまま糖尿病患者数が上昇すると、いずれ60代の3人に1人は糖尿病になる(推定)。糖尿病になると、認知症リスクも高まる。70代の2人に1人は認知症の時代に突き進む。このシナリオは、コロナ長期化によるストレス太りで、さらに悪化する可能性がある。
東京、山形で非常に多くの外来患者を診ている国際医療福祉大学三田病院糖尿病・代謝・内分泌内科学 坂本昌也教授は、「突然死でなくなる年間12万人のうち、最も多い致死性不整脈(心室細動・心停止)は糖尿病が関係する。コロナ太りで迎えるこの冬は例年以上の注意が必要」と語る。