本書の要点

(1)人は日常的に書いているのに、書くということが目的になると途端に書けなくなってしまう。大事なのは「書こう」とするのではなく「伝えよう」とする意識だ。
(2)文章は基本的に読まれないものだ。読んでもらうためには、読むことで得られることを明確に定義し、読者に読む動機を与えなければならない。
(3)初対面でのコミュニケーションがリアルから文章に移行しているいま、書くことができる人は有利になる。書くための技術を身につけて、読む側から発信する側になろう。

要約本文

◆どうして書くのはしんどいのか
◇「書く」のではなく「伝える」

 LINEやツイート、メールなど、誰でも毎日何かしら「書いて」はいる。しかし、改めて「文章を書こう」「発信しよう」と思うと、とたんに手が止まってしまうことはないだろうか。多くの人が「文章が書けない」と言うとき、足りないのはスキルだと思いがちだが、文章が書けない原因の多くはじつは「メンタル」にある。

 多くの人は「自分の中から」文章を生み出そうとするが、この「生み出そう」というメンタルがそもそも間違っている。一部の才能ある作家は別として、普通の人の中には何もない。書くこと自体が目的になると、書こうとすればするほど書けなくなる。大切なのは、「書こう」とすることではなく「伝えよう」とすることだ。メールもLINEも、誰かに何かを伝えようとするから自然と「書ける」のである。

「文章をゼロから生み出す」のは難しくても、他人の文章を見て「ここ、『てにをは』が間違ってるよ」と指摘できるように、「すでにある文章を修正する」ことは容易だ。これを一人でできるようになり、著者と編集者の一人二役をやればいい。まずは「著者」として、下手でもいいから、伝えたいことをとにかく書きなぐる。そのあとに「編集者」の立場から、冷静になって文章を見直し、整えていく。こうすることで、ある程度の質の文章を一人で作成することができるようになる。

 書けないと思っている人は、「書こう」とするのではなく、「伝えよう」という意識に変えることからスタートしよう。そして、「ゼロから生み出そう」とするのではなく「まず書いてみて、それを修正して文章を仕上げていく」と考えるだけで、書くことはずいぶんラクになるはずだ。