これからの不確実な社会を生き抜いていくために「教育」に求められることはどんなことなのでしょうか。ハーバードで世界の教育を研究した本山勝寛氏は、これからの日本の教育では「好奇心」を育てることが重要だと言います。なぜ「好奇心」を伸ばす教育が重要なのか、解説します。
時代が変わったのに
変わりきれていない「日本の教育」
いきなりですが、質問から入ります。
日本の教育はこのままで大丈夫だと思いますか?
大丈夫だ、と自信をもって言える人は少ないのではないでしょうか。
親の立場からしたら学校だけでは心配なので、塾や習い事に通わせ、小さいうちから何かをさせないと不安になってしまいます。先生の立場からは、家庭の環境も理解度も異なるたくさんの生徒たちを、学習指導要領に沿って一斉に教えなければならないうえに、英語教育、プログラミング教育、道徳教育、オリパラ教育、キャリア教育、いじめ対策とやらなければならないことがあり過ぎて、毎日がそれらに忙殺されています。
日本の教育は何を目指し、どんな人に育てたいと考えて教育制度が設計されているのでしょうか?
もちろん、「生きる力」といった言葉が文部科学省から示されてはいますが、実態としては、少しでも偏差値の高い大学に合格することが教育のゴールで、そのゴールに向かって幼少期からの子どもの教育が設計されたままになっているように思います。