『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』が10万部を突破! 本書には東京大学教授の柳川範之氏が「著者の知識が圧倒的」、独立研究者の山口周氏も「この本、とても面白いです」と推薦文を寄せ、ビジネスマンから大学生まで多くの人がSNSで勉強法を公開するなど、話題になっています。
この連載では、著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。(イラスト:塩川いづみ)
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら
[質問]
大学受験をディベート型のグループディスカッションで受けようと思っています。他人よりは思慮深く、社会問題についても自分の意見を持っているつもりなのですが、実際にディベートをするとなるとどんなことをすればいいのか、気をつければいいのかわかりません
できることや参考になる本などあれば教えていただきたいです。
ディベートは競技。勝つためにはルールを知るべき
[読書猿の回答]
ディベートはルールのある競技です。いかに思考能力が高く、社会問題に精通していたとしても、何も知らないまま飛び込んでは、運動神経に自信がある素人がいきなりラクビーの試合に出て怪我をするのに似た事態にもなりかねません。
まずディベートがどのような「競技」であるかを知るには『はじめてのディベート 聴く・話す・考える力を身につける』がよいでしょう。あとは、香西 秀信『議論入門: 負けないための5つの技術』(ちくま学芸文庫)。これをマスターすれば、同年代相手のディベートで遅れを取ることはないと思います。
ただ、今回の場合、ディベートを行うのは、グループディスカッションによる選考の場です。
ディベート相手に勝っても試験に負ける(不合格になる)場合もある訳です。
補完のため『大学生からのグループ・ディスカッション入門』を挙げておきます。