クラウドコンピューティングに基づく顧客情報管理(CRM)サービスを手掛ける米セールスフォース・ドットコムは、企業向けコミュニケーションツールの米スラック・テクノロジーズを買収する方向で協議しており、交渉は進んだ段階にある。事情に詳しい関係筋が明らかにした。合意に達すれば、法人向けソフトウエアの巨人と、職場の電子メールに代わるサービス提供を目指す注目の新興企業が統合することになる。一部の関係筋によると、数日以内にも交渉がまとまる可能性がある。スラックの時価総額は170億ドル(約1兆7700億円)余りで、セールスフォースとしては過去最大の買収となるとみられている。協議がまとまる保証はないという。セールスフォースの時価総額は約2300億ドル。創業21年の同社は、サブスクリプション(定期課金)方式でクラウドサービスを提供する先駆者だった。共同創業者でもあるマーク・ベニオフ最高経営責任者(CEO)兼会長は、シリコンバレーの大物経営者の1人で、雑誌「タイム」の買収でさらにその地位に磨きがかかった。