日本株の出遅れ感が強い。ニューヨーク・ダウは2007年以来の高水準、ナスダックに至っては2000年以来の高水準を回復した。欧州株でさえ年初来高値を更新している。しかし、日経平均株価は3月27日の1万0255円を大きく下回る水準に甘んじている。
要因の一つに企業業績の不透明感があろう。主要200社のうち業績見通しの為替前提を開示している企業を集計すると、円の対ドルレートは6月時点で80円前提の企業が圧倒的に多かった。9月時点でもほとんど変化はないが、対ドルは小幅な円高にとどまっているので違和感はないだろう。
一方、円の対ユーロレートは6月時点で105円前提の企業が最も多かった。にもかかわらず、一時95円まで円高が進んでしまった。業績下方修正リスクが高まり、先行き不透明感が強まった。そして、「ギリシャ、スペインなどの欧州問題=日経平均下落」という図式が出来上がってしまった。
株式市場は「不透明」が最も嫌いである。悪材料であっても全貌が明らかになれば怖くない。一時的に株価が下がっても、そこから再スタートを切れるからだ。しかし、不透明だと本来の実力以上にディスカウントされた状態が続きがちである。