ちなみに、孫が相続人になることもあります。相続人になるはずの子が先に亡くなっている場合、その子(孫)が相続の権利を持ちます。これを代襲相続と言います。なお、兄弟姉妹が相続人となる場合、その兄弟姉妹が先に亡くなっていれば、甥と姪に代襲相続されます。
結果として、相続人の数が非常に多くなることも珍しくありません。
誤解(2) 相続人全員の同意があれば、誰でも遺産を相続できる
そして2つ目の誤解は「相続人全員が同意すれば、相続人以外の人にも遺産を相続させることができる」です。
例えば「献身的に介護してくれた内縁の妻にも遺産を相続させてあげたい」と相続人全員が同意したケース。法律上、内縁の妻は相続人にはなれないので、相続人全員の同意があっても相続できません。
他にも、「相続人である子どもにはすでに財産がたくさんあるため、子どもを飛ばして孫に相続させたい」という相談もよく受けます。この場合、孫は相続人ではありませんので、相続人全員が同意をしても、相続させることはできません。
相続人「以外」に財産を残す4つの方法
もし、相続人ではない人に財産を残したいのなら、次の4つの方法があります。
(1)遺言書を作成する
(2)生前中に贈与しておく
(3)生命保険の受取人に指定しておく
(4)相続人がいったん相続し、生前贈与をする
このいずれかを選択しなければいけません。
生前贈与とは、亡くなる前に財産を無償であげる行為で、相続人でない人に対しても行うことができます。(4)については、相続人の心変わりで実現されない可能性があります。さらに、相続人が相続税を払ったうえに、贈与を受けた人に贈与税の負担まで発生する可能性があるので、避けたほうが無難でしょう。