オンライン飲み会に一度参加してみたら、ふつうの飲み会と違ってお開きになるタイミングがなく、退出しづらくてなんともいえないだるさを感じてしまいました。わたしは気が弱いので「抜けます」という一言を言うのに勇気が必要で、「ボタン一つでそれとなく退出できるマシーンがあったらいいのに……」と思い、制作しました(下記参照。音が出ます)

「問題」というと、社会的な問題など大きなことを考えてしまう人もいるかもしれません。

 でも、そんなに構える必要はなくて、アイディアを考えるときにまず必要なことは、自分の半径1メートル以内に起こっている出来事を認識することです。

「オンライン飲み会、なかなか抜けられない」のように日常の中で感じる「ごく小さなストレス」を意識することが発想のとっかかりになるのです。

 毎日の中で、小さなストレスを感じることは誰にでもあるはずです。この小さなストレスをどれだけ意識できるかが、アイディアの量に関係してきます。

 こうしたストレスは日常の中に多く潜んでいるのですが、ほとんどがちょっとした違和感のようにしか感じられなかったりして気づきにくいもの。

 本書では、アイディアにつながるそんな微妙なストレスの気づき方や、ストレスを感じやすいシチュエーション、そしてそれらをどうやってアイディアにするのかを紹介していきます。

(本原稿は、藤原麻里菜著『考える術──人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71』の内容を抜粋・編集したものです)

藤原麻里菜(ふじわら・まりな)
1993年、横浜生まれ。発明家、映像クリエイター、作家。頭の中に浮かんだ不必要な物を何とかつくりあげる「無駄づくり」を主な活動とし、YouTubeを中心にコンテンツを広げている。SNSの総フォロワー数は20万人を超え、動画再生数は4000万回を突破、その人気は中国、アメリカ、ヨーロッパなど海外にも広がっている。2016年、Google主催「YouTubeNextUp」に入賞。2018年、国外での初個展「無用發明展――無中生有的沒有用部屋in台北」を開催、2,5000人以上の来場者を記録した。Awwwards Conference Tokyo 2020、eAT2018 in KANAZAWA、アドテック2016東京・関西などで登壇。「総務省 異能vation 破壊的な挑戦者部門 2019年度」採択。最新刊に『考える術──人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71』がある。