悲観的な見通しが多いが
不透明感は和らいでいる
2021年が始まった。2020年は、新型コロナに散々振り回された。特に昨年末は勢いを増した第三波の脅威を前に、新年も楽観的な見通しを持ち得ない状況であった。2021年は始まったばかりだが、巷には昨年の今頃に比べ悲観的な見通しが溢れているように感じる。
しかし筆者は、今後を見通すことが昨年に比べ容易になったと考えている。昨年の今頃は、新型コロナウイルスが中国の武漢で発生したばかりで、ウイルスの影響がどの程度なのかを見極めることが難しかった。また当時はアメリカ大統領選挙の帰趨が見えず、(2020年を暗示する)分断・離脱・騒乱などの不安の種が、世界の各地域に現れていた。
一方足もとでは、新型コロナのワクチン接種が始まり、世界はウイルスの悪影響を取り除く段階に入ったように思われる。新型コロナの経済・社会への影響も明らかになっており、次期アメリカ大統領も決まった。グローバルサプライチェーンの寸断や米中経済のデカップリングに対しても、世界のグローバル企業は対策を打ち始めている。
つまり、昨年の今頃に感じた「何が起こるか分からない」という不透明感は、昨年に比べれば大きく和らいだ。世界の株式相場は、こうしたセンチメントを反映して上昇に転じているとも言われている。
不透明感が和らいだためか、筆者の知人・友人を見ても、逞しくニューノーマルに適応し、新たに会社を設立したり大手企業を辞めて独立したりするなど、新たな一歩を踏み出している人も多い。