現代人の脳には“毒”が溜まっている!
無意識に溜まった脳の“毒”を出して
脳がみるみる若返る食事法を紹介する
脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師が提案する衝撃の最新刊『脳の毒を出す食事』では、現代人の脳に溜まった毒を出し、脳の機能を上げる食事法を紹介している。
現在、認知症患者数は増加の一途。その発症を避けるには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な食事を提案する。
アルツハイマー病は脳の毒が原因だった!
多くの患者さんがいるにもかかわらず、アルツハイマー病にはいまだに特効薬がありません。アルツハイマー病は、アミロイドβと呼ばれるたんぱく質の塊が脳に溜まって起きることはわかっていましたが、原因は解明されていませんでした。
そこに着眼したのが前述したデール・ブレデセン博士らのグループです。ブレデセン博士らは、脳にアミロイドβが蓄積するのは、脳の正常な防御反応によるものだという事実を突き止めたのです。
体を守るための機能が、脳を壊してしまう
どういうことかというと、たとえば脳に毒物が侵入する、栄養が不足する、炎症が起きるなどの要因で、脳に悪影響が出そうになるとします。すると脳を守るために集まってくるのがアミロイドβです。そこまではいいのですが、アミロイドβは増えすぎると一転して、脳神経を破壊する側に回ってしまうというのです。皮肉なことに、身体機能は守られる一方で、認知機能が下がってしまうのです。
アルツハイマー病の患者さんは、「行方不明になって捜索したら10kmも離れた町で見つかった」ということがよくあります。認知機能が衰える一方で、体は元気なことが多いからです。これはある意味、生命を維持するためにアミロイドβが活躍した結果です。
アミロイドβが集結するのは高齢者の脳だけではありません。
脳に毒が溜まっていると、生命維持のために年齢にかかわらず誰の脳でもアミロイドβが集結します。しかしアミロイドβは増えすぎると認知症を誘発する……。つまるところ脳の健康のためにはアミロイドβを集結させなければいい。そのために、すでに溜まった毒を出す、新たな毒を入れないようにすることが重要なのです。
本原稿は、白澤卓二著『脳の毒を出す食事』からの抜粋です。この本では、認知症など脳の機能不全の原因となる、現代人の脳に溜まった”毒”を出して究極の健康体になる食事法の提案と、実生活で使える7日間実践レシピを掲載しています。脳と体を健康にし、本当の意味での健康長寿を目指してみませんか?(次回へ続く)
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。
白澤卓二(しらさわ・たくじ)
医師、医学博士
1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て、2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。2017年よりお茶の水健康長寿クリニック院長、2020年より千葉大学予防医学講座客員教授就任。日本ファンクショナルダイエット協会理事長、日本アンチエイジングフード協会理事長、アンチエイジングサイエンスCEOも務める。専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。