現代人の脳には“毒”が溜まっている!
無意識に溜まった脳の“毒”を出して
脳がみるみる若返る食事法を紹介する
脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師が提案する衝撃の最新刊『脳の毒を出す食事』では、現代人の脳に溜まった毒を出し、脳の機能を上げる食事法を紹介している。
現在、認知症患者数は増加の一途。その発症を避けるには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な食事を提案する。
最新認知症治療から学ぶ、
認知機能低下を防ぐ方法
がんに対しては手術や抗がん剤、先進医療など治療法が日々進歩しています。心臓病や心筋梗塞、脳梗塞などの突発的な病気でも迅速に対応できさえすれば命を救うことが可能ですし、予後の状態も飛躍的に改善しています。ところが、認知症については、患者数が増える一方で画期的な治療法が確立されていませんでした。
認知症は脳にアミロイドβというたんぱく質が溜まることで神経細胞がダメージを受けて認知機能が低下するというメカニズムがわかっています。そのメカニズムに着目した製薬会社は、アミロイドβが溜まらない薬を開発しようと長年、取り組んできました。ところが多くの製薬会社の開発はことごとく失敗に終わっていて、いまだに認知症の特効薬は存在しません。
脳の「炎症」「栄養不足」「毒素」という3つの脅威
そこに突如、出現したのが、私が監修を手掛けた『アルツハイマー病 真実と終焉 “認知症1150万人”時代の革命的治療プログラム』(ソシム)の著者でカリフォルニア大学のデール・ブレデセン博士が提唱する革命的治療法「リコード法」です。
前述のとおり、ブレデセン博士はアルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患の世界的権威です。彼は30年に及ぶ研究で、脳が「炎症」「栄養不足」「毒素」という3つの脅威にさらされ続けると、アミロイドβが増えすぎてしまい、神経細胞を破壊して認知機能にダメージを与えることを解明したのです。
脳に3つの脅威が出現することでアミロイドβが溜まるならば、裏を返せば3つの脅威が出現しないようにすると、アミロイドβが過剰になることもない。この考えに基づいて提唱されているのが「リコード法」です。
認知症の元凶である3つの脅威をとりのぞくことが、脳の認知機能の衰えを防ぐためにもっとも重要なことなのです。
本原稿は、白澤卓二著『脳の毒を出す食事』からの抜粋です。この本では、認知症など脳の機能不全の原因となる、現代人の脳に溜まった”毒”を出して究極の健康体になる食事法の提案と、実生活で使える7日間実践レシピを掲載しています。脳と体を健康にし、本当の意味での健康長寿を目指してみませんか?(次回へ続く)
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。
白澤卓二(しらさわ・たくじ)
医師、医学博士
1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て、2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。2017年よりお茶の水健康長寿クリニック院長、2020年より千葉大学予防医学講座客員教授就任。日本ファンクショナルダイエット協会理事長、日本アンチエイジングフード協会理事長、アンチエイジングサイエンスCEOも務める。専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。