製造業
コロナショックによる落ち込みが小さく、世界経済を牽引している製造業。その鍵を握るのは設備投資だ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

コロナ禍脱出の牽引役
製造業の回復を持続させる鍵とは

 11月以降のワクチン開発の朗報で、世界経済の回復について皆が自信を深めていたところに水を差したのが、コロナ感染再拡大の動きだ。変異種の登場もあって、我が国をはじめ先進国で感染に歯止めがかかっておらず、世界経済の先行きへの懸念も声も増えている。

 変異種の拡大は無視できないリスクではあるが、オックスフォード・エコノミクスでは、こうした逆風にもかかわらず、世界経済の回復の動きは今後も途切れずに続くとみる。これは、現在の回復を牽引する製造業の強さが少なくとも年前半にかけて持続し、ワクチン普及に伴うサービス業の回復が実現するまで、世界経済を支え続けるためだ。

 コロナ禍は経済的に極めて特異なショックだ。ダメージのマグニチュードが金融危機を大きく上回り、大恐慌に匹敵するようなものであったこともさることながら、産業や製品によって影響が大きく異なることが特徴である。

 オックスフォード・エコノミクスでは、マクロ経済予測をベースに産業ごとの需要予測を提供しているが、これまでの落ち込みと今後予想される回復ペースにはバラツキが大きい(図表1参照)。ロックダウンなどによる人の移動の制限がもたらすダメージが中心であったため、ホテル・飲食業、レクリエーション、交通・倉庫などのサービス業の落ち込みが大きく、コロナ前の水準回復にも時間がかかる。

 一方で、落ち込みが小さく、その後の回復も早くて経済全体を牽引しているのが、金融、情報通信、製造業である。情報通信は在宅勤務やeコマースの盛り上がりなどコロナ禍が追い風となった面があるし、金融も株価暴落に続く流動性相場と企業による必至の流動性確保の動きで回復が速かった。いずれも好調が続くことが期待できる。

 今後の経済全体を牽引する力が大きいという点で、より重要なのは製造業の回復の動きがどこまで続くかだ。足元の強さが第2四半期を中心としたロックダウンによる落ち込みの反動に過ぎないとすると、回復はすぐに息切れする。